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第7回「砂ほこり」 |
2002年4月23日掲載 |
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上海は空気が汚れている。慢性的な交通渋滞による排気ガスや、工場からの排煙等が主な原因だといわれている。さらに追い討ちをかけるように建設中のビルやマンション、スクラップ&ビルドの建設現場に出入りする工事車両がもうもうと土ほこりを上げて街中を行き交う。その開発のすごさは、日本とは比べものにならないほど凄まじい。 そんな場所が上海には、幾ヵ所もある。上海の空気の悪さは、車の排気ガスや排煙だけではなく、こうした建設現場等から絶え間なく立ち上がる砂ほこりにも原因があると思っている。 幹線道路を巨大な清掃車が行き交い散水車が水を撒き散らして走っている光景をよく目にするが、あまり効果のほどを確認できていないのが現実だ。その砂ほこりが風に舞い上がると、街中がすっぽりと砂ほこりで覆われている感じになる。事務所の窓を開けておくと、夕方には机の上がうっすらと砂ほこりで白くなっている。当分の間、諦めるしかないようだ。 中国人の友人が最近、車を購入した。上海の均衡で工場を経営している彼は、友人であると同時にビジネス上の取引先でもある。ある日、日本からお客様を連れて彼の工場を訪問することになった。 工場へ向かう途中で彼は、車を購入してから起床が1時間早くなった、という。その理由を尋ねてみると、車が砂ほこりで汚れてしまい毎朝、洗車に時間を要するからだ、と苦笑した。 毎日、朝早くから夜遅くまで働き詰めの彼を知っているだけに、私はなんだか気の毒に思えてきた。そして、相変わらず目のまえに立ち込める土ほこりを恨めしく見続けたものだった。 そんなある朝、昨日までの埃っぽい空気が嘘のような、爽やかな空気の気配で目覚めた。 昨晩からの雨は上がり、空には一点の曇りも無い清々しい青空が広がっていた。こんな朝なら、私でなくとも上海が好きになるに違いない。上海の空気が、いつもこうであってほしいと、思わず私は頷いていた。 |
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Taro HARA
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